肺炎に対する基礎理解

●肺炎の種類と原因菌肺炎の分類には、病変の部位や原因菌によるものなどがあります。

また、病院外の通常の社会生活で発症した肺炎を市中肺炎、

病院内で発症した肺炎を院内肺炎と区別することもあります。

 

両者には原因菌が異なる傾向があり、市中肺炎では肺炎球菌、

院内肺炎では緑膿菌やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が原因となります。

 

また、食べ物や唾液を誤嚥(食物などが誤って喉頭や気道に入ってしまう状態)することによって

発症する肺炎を誤嚥性肺炎といい、高齢者に多いです。

 

●肺炎の症状肺炎の主な症状は、発熱、咳、痰などの呼吸器症状です。

高齢者は成人に比べて発熱や咳、痰の症状が軽いという傾向があります。

しかし、意識障害や食欲不振といった、一見、肺炎と結びつかない症状が出現することがありますので、

しばしば肺炎が重症化するまで見過ごされることがあります。

 

●肺炎の治療肺炎の治療は、肺炎の原因菌に対する治療と、

肺炎の症状を緩和するための治療が行われています。

一般的な治療期間は7日程度ですが、高齢者は長期化する場合も少なくありません。

 

原因菌が特定された場合には、その原因菌に有効な抗菌薬が投与されます。

市中肺炎では肺炎球菌が原因である場合が多いので、ペニシリン製剤が第一選択で投与されます。

 

また、肺炎の症状である発熱は、免疫機能の活性化を促進するので、

解熱薬を投与して熱を下げることは必ずしも有効であるとはいえません。

ですが、発熱は代謝率を上昇させ、体力の消耗につながるので、

予備力の低下した高齢者では状況に応じて解熱薬が使用されます。

 

また、高齢者は重度の脱水を起こしやすいので、経口的に水分の補給が困難な場合では、

点滴による補液が行われます。

痰に対しては、痰の粘稠度を下げる薬や超音波ネブライザーを使用しての吸入療法により、核出を助けます。

また、激しい咳による体力消耗が激しい場合には、鎮咳薬が使用されます。

 

しかし高齢者のなかには、喉まで移動してきた痰を、

咳をすることで口までもってこられない方、口の中にある痰をうまく外へ出せない方も少なくないです。

そのような場合には、吸引(痰をチューブで外に出すこと)や口腔内清掃を行うと良いです。

 

また、発熱・咳の症状は呼吸数を増加させ、エネルギー消費が大きくなります。

食欲不振の場合は、少量で高エネルギーな食品の摂取をすすめます。

水分は、点滴による補液も行われますが、嚥下状態が悪い時はゼリーなど半固形化したものに変更したり、

増粘剤でトロミをつけると摂取しやすくなります。

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