母の異変に気づけなかった私。後悔の素人判断とためらい

私が年を取ったのと同じく、気づけば母もだいぶを年を取っていました。

日々生活していくことの忙しさに気を取られて暮らしていたころ、

見たことのない電話番号から一本の電話が入りました。

私と離れたところに暮らす母の、地域包括センターからでした。

その電話で自分の母の置かれた状況を初めて知ったのですが、

暮らしている賃貸マンションの支払いが滞っていた為、

管理している不動産会社の方が地域の包括センターへ連絡をしたのがきっかけでした。

 

何度か母に付き添って神経科の受診に付き添いましたが、

母がMRIなどの検査をキャンセルしてしまったりなどすることがあったので、

認知症を患っているという確証は得有られないまま、他の病名でいくつかのお薬を処方してもらいました。

認知症の診断ができないため、進行を遅らせる薬を飲めないせいだったのか

母の症状は目に見えるように進んでいて、毎日難なくこなしていたことができなくないことが増えていきました。

 

3か月の間に脱水症状などで入院することが4回ほどあり、

病院のベッドで過ごす時間が増えるほどに、母が弱っていくのがわかりました。

私の名前を呼ばなくなり、空腹の感覚や歩いてどこかへ行くという気持ちも忘れ、

足の筋肉は見るからに衰え、そして飲み込む力も弱くなっていました。

 

そんなことが続き退院をしたある日、アパートを訪ねると、

母は明かりが消えた部屋でベッドに横たわっていました。

夕飯と翌日の朝食、昼ご飯を作り置きしようと冷蔵庫を開けると、

前日に作り置きしておいた食事を食べた気配がありません。

母に声をかけても返事がなく、眠っているようでした。

病院での診察を済ませた後、昨夜食事を食べてもらって薬を飲むのを確認してから

丸一日寝ていることになります。

ちょうど精神科の担当医から処方されたお薬が変わったので、

それが原因かと思い込んでいしまっていたのです。

 

病院に問い合わせての電話をして処方された薬について尋ねましたが、

そこまで強い反応が出る薬ではないはずという事でしたが、

次の診察まで服用を見合わせてくださいとの指示を受けました。

母が起き上がった時の事を考えて、念のため食事を用意してその日は家に帰りました。

 

翌日の夜、仕事を終えた私は母のところへ行きましたが、母の部屋の明かりはやはり、ついていません。

いやな予感がして部屋に入り、明かりをつけると母がベッドから落ちたままの状態で

床に寝ているのが目に入りました。

慌てて抱き起すと長時間横たわっていたのでしょう、床に当たっていた部分が水ぶくれになっています。

口には何かさびた鉄のような、レンガ色に近い赤い濃度の濃い淡のようなものがついています。

体を抱き起すも母はぐったりとしていて、問いかけに対する反応もかなり弱々しいものでした。

 

母をベッドに寝かせ、濡らして温めたタオルで口についた赤いものをふき取りながら、

口の中を見てみても傷らしきものがなく出血はしていないようでした。

額に触れても昨日と同じような状態で、発熱しているようにも思えません。

しかし、担当医からのアドバイス通りに薬を飲まなかったにもかかわらず、

眠り続けているのはどう考えてもおかしかったのです。

 

ご近所の手前、度重なる救急車の要請にためらいましたが、救急車を呼びました。

病院につき、声がかかるまで待合室で待ちます。

結果は、誤嚥性の肺炎でした。

意識がなくなりかけているというより、衰弱している状態だったとのことです。

私の素人判断のために、母は苦しみ衰弱してしまったのだと思うといたたまれませんでした。

そして圧倒的な自分の知識不足を悔やみました。

 

包括センターの方が訪問してくれたりはしたのですが、ちょうど訪問がない2~3日の間に起こってしまいました。

一日目に薬のアドバイスをされた事と母の状況を、包括センターの方に報告し、相談すばよかったと思いました。

いつもお忙しそうにしていたので、ついつい遠慮をして一人で何とかしようとしてしまったのがいけませんでした。

 

そんなことを考えている間に、母がこの状態になる前に電話で私に話したことを思い出しました。

食べ物を飲み込んだ時に、違うところに入ってしまって苦しいと言っていたことをすっかり忘れていたのです。

その日の夜に母に会ったときは、元気そうだったので一安心していたのですが、

結局はその喉につかえ、誤った方へ食べ物が入ってしまったことすら忘れてしまっていたという事です。

それが原因で、肺炎を起こしてしまったのです。

医師の説明に納得がいきます。

高齢の方が肺炎にかかった場合、熱が出るなどの症状が表面化することが乏しく、家族の人も気づきにくいので、

少しでもおかしいと感じたら、ためらわず医師に診察してもらうことが必要なのです。

 

結局母はこの肺炎がきっかけで、入院生活を送り続ける事になってしまいました。

飲み込みやすくなるようにとろみをつけた水やジュース、お茶などを飲ませていましたが、

それでも誤嚥が起こり、常に痰が絡んだ状態で、肺炎の状態が続いていました。

機嫌よくお喋りをしている姿と違い、肺炎の母は静かにベッドに横たわり眠っているだけです。

額や手を触れても、やはり熱いと感じることはなく、人肌程度の体温しか感じられませんでした。

 

自分の母で初めて高齢者の肺炎について知りましたが、

健康な人があれだけ高熱にうなされるなどの症状が出るのに対し、

高齢者の症状が現れるのはとても控えめです。

食欲がない、元気がない程度で、発熱や咳などの症状が出にくいので、周りにいる人も気づきにくい為に、

私の母のように処置が遅れてしまうことが多いのです。

 

何かいつもと様子がおかしいと思ったら、私のようにためらうことなく医師や包括センターの方に相談する、

または病院を受診することが必要です。

高齢の方が肺炎で体力を使うと、元の生活に戻るのは中々大変なことです。

長い時間ベッドに横たわることで筋力も衰え、体力そのものも弱くなり肺炎になる機会も増えてしまいます。

家族や自身の万が一の時に備え、認知症や肺炎、

寝たきりの高齢者の口腔ケアの事の知識を身につけておくことも大切なのだと痛感しています。

そして、近頃ではCMなどで肺炎のワクチンの接種を促していますので、

是非接種を受けていただきたいと思います。

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